【登場人物】
中央:Tさん
中途でOX ENGINEER STUDIOにジョインしたリーダー。リーダーとしてアカデミー出身のエンジニア・プログラマーを取りまとめる役割を果たしている。
右:Nさん
アカデミー出身。AAAタイトルのUI実装業務などをTさんの下で従事。建築系大学院卒。
左:Kさん
アカデミー出身。AAAタイトルのUI実装業務などをTさんの下で従事。社会人歴あり(第二新卒でゲームエンジニアへ転職)。国立大卒。
写真掲載なし:Sさん
OX ENGINEER STUDIOのオーガナイズ担当者(C&R Creative Academy)
「GameEngineerAcademy」とは?
-:今日はよろしくお願いします。C&R社が運営するC&R Creative Academyの中のGameEngineerAcademy(以下ゲームエンジニアアカデミー)からいかにゲームエンジニア・プログラマーへの就職を目指していけるのか。Sさん、簡単にご説明をいただけますか。
Sさん:ゲームエンジニアアカデミーは一言でいえば、最長1年をかけて、C++とUnreal Engineを中心に実践的に学びます。ゲームの作り方の基礎から実践的な開発を行うまでで、最終的にはゲーム業界への就業・就職を目指します。ゲーム専門学校とはまた角度が異なるいわゆる「エンジニア・プログラマーのための即戦力を重視した学校」といった位置づけと捉えていただけると分かりやすいかと思います。
ー:ゲームエンジニアはサーバーエンジニアとクライアントエンジニアに大きく分かれますが、どちらの領域を教えられているのでしょうか。
Sさん:基本的にはクライアントサイドです。アカデミーではオブジェクト言語であるC++と Unreal Engineに比重を置いた教育をしています。
ー:どのような流れで学んでいくのでしょうか。
Sさん:講義で基本的な言語学習の後、実際に3作品程度制作を行います。その後Unreal Engineの学習を進めていき、最終的にはUnreal Engineを利用した作品を制作します。その制作過程で都度必要なノウハウを教えつつ、制作に取り組んでもらう流れです。完成した作品はそのまま皆さんのポートフォリオとなります。
ー:ゲーム開発に関わる実践的なものを中心に据えて、Unreal Engine4やC++を学んでいるということですね。では、NさんとKさんにお聞きします。そもそも、このゲームエンジニアアカデミーはどこで知りましたか?
Nさん:私はSNSですね。ちょうど就活をしていた頃だったのですが、X(旧Twitter)の通知をきっかけにゲームエンジニアアカデミーを知り、応募しました。
Kさん:僕もX(旧Twitter)で知りました。ただ実はアカデミーに入る前にC&R社とヒストリアさん共同主催の「プランナーブートキャンプ」に参加したのがそもそものきっかけです(2021年6月〜9月 注記:RPGのイベントスクリプト制作に特化した講座)。その後、Unreal Engine関連の情報をX(旧Twitter)などでチェックしたら、こちらのアカデミーの情報を見つけたのでエントリーしました。
ー:ということは、ある程度スクリプトは理解して、演出はできるという状態だったんですね。
Kさん:そうですね。一度Unreal Engine4を触った後でした。さらにヒストリアさんのツール(スクリプト)をいただいていたので、それに触れるようになっていた状態ですね。
アカデミーにはどんな受講生が?
ー:お二方(Nさん・Kさん)にはクライアントエンジニアを志す上でのバックボーンがあったかと思いますが、それまでの経験やプログラム言語にはどう接してきたか、どのような素養があったかなどについて教えていただけますか。
Nさん:実は大学院生の時は、建築を専攻していました。研究の中でちょうどプログラミングを使うようなことをやっていました。ガッツリやるというよりは、ノードベースのプログラムでした。建築なのでいろいろなデザインをするのですが、そのデザインを幾何学的にロジックを組み、それをプログラムで作るようなことをやっていました。その研究内容で使っていたことを、ゲーム業界でもプロシージャルデザインという形でやっていることを知りました。そこからゲーム業界に興味を持ち、今に至ります。
ー:おもしろい経歴ですね。そのまま建築分野に進もうとは思わなかったのですか。
Nさん:そうですね。どちらかというと、研究でやっていたプログラミングを仕事内容に活かしたいと考えるようになりました。
ー:なるほど。Kさんはいかがですか。
Kさん:僕は中途採用での転職です。前職はメーカーの研究開発職でした。大学時代もプログラミングなどの経験は全くなかったのですが、研究開発でプログラミングが必要になりまして、PythonやC++を独学に近い形で覚え、研究結果の解析などに使用していました。家庭用ゲームは元々好きだったので、C++を経験したなら、何かそれが活かせるようなゲーム開発系の会社に転職したいと思うようになりました。それでさらに進路先について調べていたところ(先ほどの話でもあった)「プランナーブートキャンプ」をまず見つけまして。当時僕はゲームエンジンにはあまり触れたことがなかったので、実際に触ってみたいとも考えました。「現場的、実践的に使っているものを使います」みたいな触れ込みも魅力的でしたね。事前に試せるならと、軽い気持ちというか。
ー:お二人とも理系だったのですね。
Kさん:そうですね。私の専攻は水産学でした。
Nさん:私は建築学です。
ー:二人とも秀才ですね(笑)。学生時代、理系ということで何か活かせたことなどはありましたか。もしくは今それが活きていることとか。物理演算得意だぜみたいな。
Nさん:プログラミングでロジックを考えるところとか、研究でやっていたことに似てるような感覚はあるかな、というのは少し感じていますね。
Kさん:僕は学部卒なんですが、卒業研究を1年ほどしかやっていませんでした。一度仮説を立てて検証して教授と話し合い、必要であれば修正して再提出する研究スタイルでした。この一連の作業がプログラミングとも似ているなと思います。例えばTさんに「ここのプログラム、実装をこうしたいんですけど、これでいいですか」と確認してもらって。それでまたレビュー受けて…という形が共通するのかなと。そういうフレームワークというか、思考の抽象物を集約させるような方法が近いかなと意識するところはあります。学生時代、直接プログラミングには触れていなかったので、より思います。
ー:理系の人は、自分が理系という認識をあまりしない人がいますよね。文系からすると完全に理系じゃんと思う時がありますが、そもそも自分が理系と認識してますか?
Nさん:あんまりしてないです。僕自身は理系脳ではないと思っています。他のバリバリ理系な…例えばプログラミングでも、競技プログラミングとかものすごく好きな人とか、そういう人と比べると確実に文系寄りという感じです。
ー:お二方は、学生時代、数学的素養だったり英語的素養だったり、ゲームのリテラシーだったりというのはどんな感じでしょうか。
Nさん:どうですかね、アカデミー入講の頃だともう数Ⅲをやってから6年ぐらいは経っていたはずなので。今はもう全然わからないですね。
ー:英語は何点ぐらいでしたか?
Nさん:英語は、一応TOEICが600点ちょっとは持ってましたけど、多分それも大学3年の時なので、今はどうなのかとなると微妙です。
ー:コンシューマゲームは年間何本くらい買ってプレイしていますか?
Nさん:今はかなり買ってますね。年間で10本は買っていると思います。でもゲーム業界に入るまではほぼやってなかったんですよ。
ー:PlayStation Plusは入ってますか?
Nさん:いや、今はPCのSteamでやってますね。
S氏:(横からごめんねと乗り出して)PlayStation Plusいいですよ。普通はやりたいものを選んでやるよね。そうじゃなくて、まず自分では選ばないゲームを選んでプレイするんですよ。めちゃくちゃ勉強になります。意外な出会いがあるのでオススメです(脱線)。
ー:Kさんはいかがですか。
Kさん:僕が最初にハマったゲームは「スーパーマリオ64」でした。小さい頃からずっとプレイしていて・・・そうそう、3Dから入ったんですよ。2Dはやっていませんでした。3Dのゲームをずっとやってる感じでしたね。特に中高校生ぐらいまではかなりプレイしていました。帰ったら5〜6時間、ぶっ続けで平気でやってましたね。シミュレーションゲームもよくやっていました。『信長の野望』とか『ファイアーエムブレム』が好きでした。
ー:SRPG系ですか。
Kさん:そうです。『タクティクスオウガ』も好んでよくプレイしていました。この3つをやり込んでいた感じです。各ゲームとも1,000時間前後はプレイしていましたね。
数学や英語は、比較的馴染んでいたかなと思います。例えば数学の問題を解く上では、線形台数や微積が出てきますけど、勉強し直せばできるかな、みたいな感じです。「これやったことあるな」とか思いながら。(過去に)勉強したことあるなっていうのが多いですね。初見で「なんじゃこれ?」というのはないです。そういうのは結構大事なことだと思っています。ゲーム系の専門学校に通っていたわけではないので、尚更です。
ゲームプログラミング未経験からの挑戦
ー:お二方とも大学院や社会人を経験されたということで、ゲーム系の専門学校出身者との違いを感じたことはありますか。
Nさん:まだゲーム業界に入ってそんなに経ってないですし、ゲームの専門学校から出ている人と比べる機会はまだそんなになくて、実感も伴わないですね。
Kさん:皆さん、さすがにツールには長けていますね。
ー:Kさんは社会人経験を積まれていますよね。
Kさん:僕は3年です。
ー:3年ほどやっていると、社会人としては第2新卒という扱いになると思いますが、社会人の経験はなにか役に立っていますか?アカデミーだったり、今の業務について。。
Kさん:そうですね、自分ではよくわからないですね。なんだろう?何をしたら社会人経験してるなってなるのかなあ。
Tさん:周りを巻き込んでタテヨコ交えて仕事するとか、ちゃんと報告してくれてますよ。あと僕より、デザインの方などと繋がりもある。そういうところは最初から意識してちゃんとできてるかなって思いますね。挨拶とかは基本で・・・多分新卒の方が元気があるかな(笑)。
ー:なるほど。では、さらにお二方にお聞きしますが、実際アカデミーの講義を受けられていたわけですが、講義の進め方や、雰囲気などを簡単にご説明いただいてよろしいですか。こんなチェックバックがあって、こんなメソッドだよみたいな。
Kさん:C++、Unreal Engine4と大きく二つ学習するのですが、まずC++の言語から学びます。さらにツールとしてのUnreal Engine4をやるという感じです。C++では簡単なゲームを丸々1本作るんですね。C++の基本的な使い方を学ぼう、という講義が最初の1か月半ぐらい続きます。ここでプログラムの基本やオブジェクト指向の基本をみっちり学びます。
ー:1.5か月・・・延べ30営業日ぐらいしかないのは、かなり短いですよね。
Kさん:C++を触ったことがない人が、あれを1.5か月でやれるかと言うと、結構ハードだったかもしれないと思います。
S氏:それもあって、今はやり方を変えているところはあります。当時2人がやっていた時はかなりスパルタだったと。
ー:何かできるぐらいにはなった感じですか。
Kさん:そうですね。簡単なゲームはライブラリを利用したり、最終的にはフルスクラッチで書いていったという感じです。描画までは書いていないんですけど、基本的なアーキテクチャというか、メインのループを作って、そのループまでの処理と、描画の処理をループの中に・・・
ー:モンスターの動きはどうやって制御されたんですか?
Kさん:モンスターの動きは、プレイヤーが操作するキャラクター(主人公)と、エネミーのキャラクターの基底クラス、キャラクタクラスを1個持たせて、そこに横の移動と、上の縦横の移動の関数を用意して、そのエネミーを制御するマネージャクラスを作って、縦横ランダムだったかな。受講生によって違うんですが、4分の1でランダムに移動させてる人や、主人公キャラクターを追跡する簡単な AIみたいなものを作ったりとか。受講生ごとに分かれて作っていました。僕は4分の1にランダムに移動する制御にしました。壁があったら移動しないという、そういうシンプルな処理です。
ー:メソッド的にはどんな感じで進めていたのでしょうか?例えば「この課題やってみて」と言われ、一通り進めてから提出するのかとか。どんな感じなんでしょう?
Kさん:簡単なゲームは教材が用意されていて、クラスごとに何のメソッドを用意して、何の変数を用意してという感じでした。UML図をまずぱっと渡されて・・・。
ー:じゃあ、そのグランドデザインがあって。それぞれのクラスを作っていたという感じですね。基礎設計はできている状態で。
Kさん:そうです。簡単なゲームに関してはそうなりますね。1番最初に「何もなしでやってみて」と言われてもさすがに難しいと思うので、基本的なクラスを作って繋げてみようという感じですね。ある程度できたら、GitHubで管理していたんですけど、そこにコードを上げて講師の方にチェックしていただいて。
ー:講師は、現役の方が多いので、書き方だったり、それぞれコメントの入れ方とか、お作法的なのが現場寄りかと思っていますが、どうでしたか。
Kさん:先生にはかなり細かく日本語でちゃんと説明コメントを書いてくださいといったような指摘を受けていますね。
ー:結構現場寄りというか・・・
Kさん:はい、かなり実践的だったと思います。
ー:他のゲームに限ったことじゃなくて、多人数での作業って結構当たり前だけど大事なので、そういうゲーム作りのお作法も、同時に学んだという感じですか。
Kさん:はい、そうですね。そういうことも役に立った部分はかなりあったと思います。
ー:なるほど、ありがとうございます。ではNさん、受講当時の不安などはありましたか。またアカデミー受講後の感想はいかがですか。
Nさん:私、実はC++をやっていた時は、もう殆ど分からないまま進めていた感じでした。なので、本当にこれで大丈夫なのか?みたいな不安はすごくありましたね。でもやっぱりC++はゲームの基礎として勉強する必要があったので頑張りました。その後、UE4を学んでC++でやった基礎の「この実装はこういう意味があったのか」と、どんどん後になって気づいていきました。復習しながら学んでいくみたいな感じがありました。
ー:分からないものを進めていくと、肚落ちしないというか、身につかないのではないかという不安はありませんでしたか。
Nさん:はい、そういう不安は正直ありました。Kさんとは同期になるのですが、彼は相当できていたと思います。なので、プレッシャーもありました。ちょうど毎日朝会があって、そこで進捗を全員で確認するんですが、私が1番遅かったと思います。
Kさん:私自身では平均的ぐらいだったと思います。プログラミングの経験がある人とそうでない人の差はあると思いますね。
ー:なるほど、当初は不安もあったのですね。そして皆さんはその後UE4やUE5などを学ばれ、現在はOX ENGINEER STUDIOに所属されているのですが、アカデミーを卒業し、そもそもそれは希望通りでしたか。
Kさん:僕は、実際ゲームエンジニアアカデミーを卒業した後、ゲーム会社を中途採用で受けてみて、アカデミーで学んだことが評価されるのかっていうのを、ちょっと試してみたいと感じていました。未経験での中途採用はなかなか厳しいのでアカデミーでの学習がどの程度評価されるのかは気になっていました。
ー:できるできないじゃなくて「未経験お断り」という謎の壁があって、業界自体が人員不足と言っている割には、上から下まで未経験お断りですよね。未経験は当然ながら経験を積まなければ未経験のままですから、どこかで経験を積まないとって話ですよね。そう考えれば、OX ENGINEER STUDIOに入るのはありでしょうね。「未経験」じゃなくなるので。
Nさん:そうですね。僕も当時そういう説明をされました。そういう説明をされて、OX ENGINEER STUDIOに入って「ゲーム業界で経験を積んだ後」に好きにしたらいいんじゃないかと。
ー:本当にその通りで、Unity系の人、サーバー系の人、UnrealEngine系の人など様々いますが、今1番価値・ニーズがあるのはUnrealEngine系で間違いないでしょう。良い選択をしましたね。
Nさん:将来的に考えてもそうですね。OX ENGINEER STUDIOに所属してまだ1年も経っていない・・・10か月ぐらいですが、確かにその選択で良かったんじゃないかと思っています。
ー:話が変わりますが、「特に現場でこれが役に立った」というのはありますか。Nさんは即戦力として、現場でリアルに感じたような、そんな実感めいたものはありますか。
Nさん:私は未経験から始めて、今もまだ勉強してるみたいな感じなんですよね。アカデミーで学んだことが、今全部に役立っている。全部吸収して、全部仕事のために全力でアウトプットしている感じです。仕事内容が大事だとつくづく思います。
ー:全てが使えていますという感じなんですね。
Nさん:本当にそうです。
ー:なるほど、Kさんはいかがですか。
Kさん:僕は前職では開発職でしたが、そもそもアプローチとしてアカデミーで学んだことを実践していたというか。コードを書く時、レビューは必要ではありませんでした。研究開発では、解析プログラムを作るんですけど、コードレビューを誰かに依頼して、その何人かで1つの製品を作っていくことはないです。あまりコードリブとかの文化がなかったんですけど、アカデミーはさっきもお話しした通り、一度作った後、先生にコードを提出して、指摘を受けて、それからコードを修正するという一連の流れができていたので、現場に行った時にもそのようにやるんだろうと想定していました。そういう意味では、アカデミー自体はとても実践に即したカリキュラムが中心であったように思います。
アカデミーを卒業した現在は?
ー:お二方の現在の仕事内容はどんな感じでしょうか。
Nさん:二人ともTさんのチームで、同じような作業をしています。主にUIの実装です。
ー:じゃあ今、お二人とも同じ仕事をしているんですね。UIの実装となると、それこそUnreal Engineを学び始めたら1番初めにやるタスクじゃないですか。
Nさん:そうですね、アカデミーのカリキュラムでは1番初めにやりましたね。
ー:では、他の実務例で言えば、ブループリントはどうですか?
Nさん:やります。ブループリントでC++のクラス作って。
ー:じゃあ、他の派生系も結構さわる感じなんですか。
Nさん:UI以外も作りますね。
ー:では、Tさんにお聞きしますが、本人達を目の前にあえて・・・アカデミー生はいかがですか。活躍していますか?(笑)
Tさん:Nさんは新卒で、業界未経験だったので、新卒入社した方と同じような感覚で作業してもらうつもりでした。
ー:普通、新卒であれば、入社して3〜4か月はほぼトレーニングですよね。それが必要なく、いきなり実践ということですか。
Tさん:僕の場合そこはなかったですね。僕は前職もゲーム会社で、専門学校卒の人が多かったので、ゲーム開発の下地というのは、ある程度できている人が多かったですね。なので、そこまで基礎研修をめちゃくちゃ頑張るというのはなかったんですけど、大卒でゲーム未経験でも、最初からUE4とかUE5に触れているところは全然問題なかったかと思います。
ー:そういう意味ではある程度のトレーニングができている。基礎能力を身につけた方だったということですか。
Tさん:そうですね。
ー:なるほど。では評価的に伺うとすると「期待以上、期待通り、まあまあ、やや下回る、OK」だいたいどのあたりになるでしょう。
Tさん:期待通りでしょう。UE4やUE5が使えて、働きながら学びつつスキルアップしていただいています。
ー:まだ粗削りだけど、即戦力と見ることができているところでしょうか。開発現場にはジョインできるような・・・実際Tさんはどのぐらい見ていますか。Tさんがいなかったら回らない状況ですと、現場は進まないと思いますが。
Tさん:私は実装業務は行わず、2人のディレクションに終始しています。プロジェクトとしてやるべきことはできており、2人共戦力として活躍しています。
ー:お二方にアカデミーで役に立ったこと、先ほど「全部」とされていたので質問が重複しますが、特に未経験で入られその後「この技術が役に立ったな」ということがあれば、教えてください。例えば、複数人で行う作業はこれまで殆どしてきていなかったと思うんですね。情報をマージするとか、複数人で作るのは初めてだと思いますが、そういう作り方を通しての実感はどうですか?特に技術的な点について教えてください。
Kさん:そうですね、結構難しいですが・・・アカデミーでは、まずC++をやりますけど、生ポインターしか扱わず、スマートポインターの扱いはやっていなかったので、他の人のコードを読んで学習したところは多々ありました。あと、他の受講生のコードが見られるようになっているのですが、そこで他の受講生のC++11以上の書き方を学んだりとか。基本的に技術として役立ったのは、ゲームのタスク管理の仕組みかな。タスク管理の仕組みで、ゲームのそれぞれのタスクを渡していって、ループを回して報告してという流れは身についたかなと。ゲームの描画と計算をしていくというリストを作って回していくというのは一通り理解が進んだので、役に立ったなという実感はあります。
ー:Nさんはいかがですか。
Nさん:技術的というよりも、ゲームの仕組みを学んだことが大きいですね。アカデミー入講の前に元々自分が大学で学んでいたことは「形態を作ること」でした。計算式を作ってプログラムで計算して、結果が出たらもうそこでおしまいなんですね。でもゲームは、そのループの中で色々と処理を作って、計算して何度も繰り返すみたいなことをするので、例えば、繰り返す中でいかに効率的に行動を作らなきゃいけないかとか。更新する際、どのようにそのデータを更新すれば良いかなどを考えたり。そういった部分で学んだ事が今活かせてるんじゃないかなとは思いますね。
ー:なるほど。ちなみに今、休みの日などでUE5を触ったりしていますか。自分でオリジナルのゲームを作ったりとか。
Nさん:一応作っています。
ー:それは一獲千金を狙って作っているのか(笑)、オタ道を究めるためか、はたまた技術レベルの習得向上のためとか・・・?
Nさん:僕は技術の勉強のために今ちょうどDirectXの勉強をしていて、描画を使ったゲームなどを自分でやってます。
ー:だいぶ難しいというか、面倒くさくないですか?UE5やった後だとなおさら・・・。
Nさん:いやあ、すごく面倒くさいです(笑)。それでも、やっぱり描画周りの勉強にはなります。DirectXはゲーム全般の中でも重要なところになってくると思うので。
ー:タメになるんですね。ちなみに、Unityとかは触ったりしていましたか。あまり興味ないですか?
Kさん:Unityは、僕はアカデミーに入る前に触っていましたけど、今はもう触ってはいないですね。
ー:今の業務からするとちょっと離れていますよね。
Kさん:そうですね、今はもうUE4やUE5ですね。
ゲームエンジニアを目指す皆さんへ
ー:では最後にTさんに、これからOX Engineer Studioを目指す方々や、その他にもゲームエンジニアやプログラマーを目指す方々へ、こんな心構えで来てほしいとか一言いただけますか?
Tさん:むず!(一同笑)
ー:そもそもどういう人がエンジニアに向いているとか。「エンジニアやりたいやりたい!」と考える人はたくさんいますよね。ですが厳しいことを言えば、向いてない人にはやっぱり向いていない。だから「こういう人に来てほしい」とか「こういう人が活躍してるよ」とかはありますか。
Tさん:OX ENGINEER STUDIOは仕事しながら学べる環境は十分にあると思うんですね。人も集まってくるし、リーダー陣も経験豊富な方が多いので。ただ、待っているだけの人だと、そういう人たちからは何も聞けないんですよ。なので、自分から色んなものを勉強していく姿勢がある人がOX ENGINEER STUDIOでは伸びていくと思うし、伸びていく人こそ、こちらも欲しいので。そういった自分から学んでいける人、今ここで安定を求めて「もうこれぐらいでいいかな」みたいな人よりかは、ずっと技術を、やりたいこととして経験を積んでいける人が向いているのかな、と。
ー:じゃあ休みの日、Unreal Engineを触っているような人がいいってことですかね。
一同:(笑)
Tさん:そういう人の方が伸びはいいでしょうし、なるほどとは思いますけど・・・。でも仕事内容を濃くして、しっかり経験を積んで伸びていける人っていうのが大事かなと思います。
ー:それは能動的という表現がいいのか、研究熱心というか。土日も四六時中PCで作業をしてしまう人もいるんですかね?
Tさん:そこまでは、求めていないですね。
ー:時々とんでもない馬力で働く人もいますよね。
Tさん:いますね。
ー:すぐに「え、持ってきたの?」みたいな、仕事の熱量が物凄い人。それ以外の人柄は求められますか?
Tさん:いろいろあるんですが、やっぱりコミュニケーションがちゃんと取れる人。受け答えがきちんとできる人、コミュニケーションが円滑にできる人。そういう人ならいいと思います。
ー:そうなんですね。初めは何か無愛想で「何?この人」と思うこともありますが、気づけば1週間ぐらいで馴染んでいたり、何か互いに打ち解け合う瞬間があったりもしますよね。
Tさん:まあ、クリエイターですからね。話しやすいとか、話しかけやすい、話しかけてくれるとか、そういう普段からのコミュニケーションは必要だと思います。
ー:ジュニアクラスから入ってくる人だと、例えば数学的素養だったり、英語的素養だったり、理系全般的素養だったり、エンジニア・プログラマーになるにあたって、どれが一番大事な要素でしょうか?
Tさん:(数学や英語というよりは)好奇心です。例えばゲームをプレイする時に「これはどうやって動いてるんだろう、ここってどういう流れで、この画面がどこからデータが来て、この画面が表示されて、これはどうやってプレイヤーに直結するんだろう・・・」と興味を持つことですよ。ちょっと遊ぶだけじゃなくて、中身をイメージできる。想像できたり、考えられるような人は向いているでしょう。科目としての数学とか英語はあまり関係ないです(笑)。そういう好奇心の強い部分にちょっとずつ繋がっていくんだと思いますよ。
ー:なるほど。そういう探求心がある人ですね。こういう仕事によくありがちな職業病のひとつだと思いますが、仕事に没頭することで逆にちょっと楽しめなくなる瞬間ってありませんか。
Tさん:「遊ぶ時は遊ぶ」でいいとは思うんですよ。思うんですが、やはり職業病なのか、ちょっと気になったらなんかやっちゃいます。この画面どうやって作ってんだろうとか、こんなふうに作っちゃって操作したらまずいんじゃないかな、と気になっちゃうとかね。
ー:それこそ、開発者、クリエイター、エンジニア、プログラマーという人達は、ゲームで遊んだ後や映画を観賞した後もエンドロールを2回見たりもしますよね。そういうことも、普通はしないですよね。
Tさん:普通は1回見たらもう終わりですけどね、エンドロールを2度見て「うーん」とか言ってるわけですよ。「この会社が作ってんのか」みたいなね。「あーなるほど、なるほど」とか言いながら。
ー:職業病ですね。
Tさん:「なるほどこうやって作ってたのか」「デバッグ会社はここなんだ」みたいなのがすぐわかります。あれを見てここが作ってるんだとか分かるからね。
ー:今のTさんの言葉を簡単にまとめると「能動的で好奇心がありコミュニケーションが取れる人がよい」という理解でいいですか。
Tさん:ええ、そうですね。KさんやNさんはそうですからね!
もっともっとみんなで成長していきたいので、ぜひその様な方と一緒に仕事がしたいですね。
ー:ありがとうございました。