エンジニアスタジオトップに聞く「OX ENGINEER STUDIOとは」

左:スタジオ統括 菊池一成 右:スタジオチーフエンジニア 町田佳弘

そもそもクリーク・アンド・リバー社って?

ー:クリーク ・アンド ・リバー社(以下C&R社)とは、そもそもどういう会社ですか。

菊池:C&R社は2つのミッションを持っています。「プロフェッショナルの生涯価値の向上」と「クライアントの価値創造への貢献」です。C&R社は、元クリエイターが作った会社です。C&R社の会長である井川幸広は、映像業界でテレビ番組などを制作するディレクターでした。しかし「より良いクリエイティブを作るためには、クリエイターが仕事に専念できる環境を整備することが重要」と思い、1990年3月に起業したのが始まりです。現在、C&R社は34期目を迎えました。

C&R社は、これまでクリエイターの人材派遣や人材紹介、キャリア支援などを行ってきました。最近は、C&Rクリエイティブスタジオに所属することで、C&R社と一緒に仕事をしながらキャリアを築くことができるという特徴も打ち出しています。

ー:そもそもクリエイターの人材派遣から始まっているわけですね。ではどうして、スタジオでゲームプログラミングに特化した受託制作事業を始めようと考えたのでしょうか。そのきっかけと言いますか、背景を教えてください。

菊池:ゲーム分野を担当する「デジタルコンテンツ ・グループ」の主な事業は、人材紹介と人材派遣、制作受託です。ゲーム開発は期間が長く、ラインに拡縮があるので急激にリソースが必要になる傾向があり、そのサポートをしています。現在もゲーム業界全体で人材不足が続いており、常時人材不足であるにもかかわらず、未経験者はお断りだったり、タイミングや経験不足などの問題でその仕事に就けないというギャップがあります。

そこで、私たちはクリエイターの方々がC&R社を通じてキャリアアップできる仕組みを作ることが重要だと考え、社内にスキルアップに注力したゲーム開発に特化したスタジオを構えることにしました。

特に人材が不足しているゲームプログラミング分野で、クリエイターを育成する仕組みを構築する必要があることに気づきました。そこで、チーフエンジニアと共にこの「OX ENGINEER STUDIO(以下OXスタジオ)」を作ったのです。スタジオを通してクリエイターの方々に仕事を紹介するだけでなく、一緒に成長していく仕組みができつつあります。

様々なゲームエンジニアの為の「OX ENGINEER STUDIO」

OXスタジオとは

ー:スタジオが設立されたのはいつでしたか。

菊池:2018年の5月に町田を中心に立ち上げました。

ー:なるほど。5年前から比べるとだいぶ大きくなりましたよね。

町田:初めは3名位のチームで、立ち上げ期はチームの実績作りと、拡大を並行して行う必要がありました。そもそもゲーム業界に人が足りないので、中途採用をするよりは若手を育成して業界で活躍できる人材を増やしていこうというミッションでやっていました。

ー:他にもゲーム会社、特にデベロッパーや開発会社などと比べて、OXスタジオならではの特徴を教えていただけますか。

菊池:OXスタジオの大きな特徴は、ゲームを中心としたエンジニア専門のスタジオであることです。ゲーム業界全体でエンジニア不足という問題がありますが、ゲームに特化したエンジニア専門のスタジオはほとんど存在しません。OXスタジオはエンジニアだけでチームを構成し、育成環境を構築している点が他社との大きな違いです。案件も豊富なので専門分野のプロジェクトに参加することができます。案件の特徴に応じて必要なスペシャリストをアサインできるという強みもあります。OXスタジオでは、特にコンシューマゲームの開発においてC++を用いることが多いこともあり、多数のメンバーが参画しています。

「OX ENGINEER STUDIO」が目指す姿

ー:OXスタジオはどういうところを目指して運営されているのでしょう。

町田:先ほど菊池から説明があったように、OXスタジオの特徴は、エンジニア集団でゲーム開発を中心としていることです。ゲーム開発では常時エンジニアが不足しているのですが、中途でエンジニアを採用して戦力強化するのではなく、若手や未経験者をエンジニアとして育成することに力を入れ、キャリアプランを示しながら一緒に成長していくことを目指しています。

具体的にはジュニアエンジニアをはじめ、他業種からゲーム業界に転向した業界未経験者にも対応し、教育とともにチーム全体のレベルの引き上げを行っています。このベクトルは、他社とは明確に異なっています。また、C&R社はベースがゲームパブリッシャーやデベロッパーではなく、人材支援に特化した会社であり、さまざまなゲーム会社とのネットワークがあります。そのネットワークを活かして、社内チームだけではなく社外の会社も交えながら様々なチームビルディングを進めることができています。これは他の会社にはないC&R社の強みです。

ー:なるほど。確かに他業界から入ってきた人を育てるというのは、あまり聞かないですよね。

町田:C&R社全体ではゲームのみならず、映像やWebなど他の業界とのネットワークも持っているため、新しい分野にも挑戦できることや人材の情報を取り入れることができるという強みもありますね。また、C&R社が人材育成に重点を置いているため、育成のためのコストは「投資」だと考えているということも特徴的だと言えますね。

ー:町田さんや菊池さんが考えるOXスタジオの5年後、10年後の目指す姿というのは、どういうところにありますか。

菊池:直近の目標としては、まず100名以上の規模を早期に実現することです。エンジニア特化の会社で100名を超える規模を実現することは、ゲーム業界に限らず非常に珍しいことだと思います。ただ単に頭数を増やすだけではなく、チーフ、リーダー、中堅、若手といった様々なレイヤーのエンジニアが所属し、お互いに補って育て合える環境を作り出すことが、近い将来の目標ですね。現在、前年比150%で急速にメンバーが増えていますが、国内だけではなく海外も見据えて規模を拡大したいと考えています。海外のクライアントと仕事をするため、外国籍のエンジニアやクリエイターも必要になります。様々な方を迎え入れやすい環境を作り、海外案件にもチャレンジしていきたいと思っています。

ー:なるほど。町田さんはどうですか。

町田:アプローチ先は海外なども含めて広げていきたいですね。特にゲーム業界は技術的な部分で革新や環境の変化が早いので、常に新しい技術を取り入れていかなければなりません。C&R社では様々な案件に携わるチャンスが多くあります。例えばVRやメタバースといった新しいジャンルにも挑戦しています。これらはまだ主力ではありませんが、技術の幅を広げて主力がどこにシフトしても対応できるようにしています。C&R社では新しい土壌づくりをする余地が十分にあるのでそこも魅力だと思います。

海外籍のエンジニアも活躍できる環境を

ー:お二人から「海外」というワードが出てきましたが、現状OXスタジオ内には外国籍の方はどれくらいいるんですか?

菊池:7人?いや、もっと多いか。現状だと参画しているメンバー全体の1割強ぐらいですね。韓国、中国、ベトナム、ニュージーランド、タイ、ベラルーシなど国際色豊かですね。

町田:C&R社では、日本以外での取引も増えており、より柔軟に対応ができるように日本国内だけではなく、海外のメンバーの割合も増やしていこうという取り組みがあります。しかし、海外と日本では仕事の進め方や国民性など違うところもあるので問題がないわけではないのですが、柔軟に考えお互いに成長しあえる環境作りを進めています。

ー:海外の方にとっても働きやすい環境にはなっているということですね。

町田:必ずしも100%ではないとは思いますが、海外の方も働きやすくなるように取り組んでいることは間違いありません。「とりあえず採用して試してみよう」というよりも、採用して問題ない土壌を作っていこう、と海外に目線を向けて海外の会社と連携したり、海外のインターンを含めたりなど、今後を見据えた動きはあります。

菊池:今は海外で就業経験があるブリッジエンジニアの方にも参画してもらっています。海外の方の就業環境も徐々に改善しています。1番の理想形は、それぞれの母国語や英語でそのまま就業できる環境です。今、日本のゲーム会社の大半が、基本的にはどの国籍であろうが日本語で仕事をすることを求められるケースが多いと思うんですよね。しかし、それが外国籍の方々がハードルに感じてしまったり、働きづらい環境になってしまう大きな要因だと思います。だから英語のみでプロジェクトが回っていく環境も、近い将来整備していく必要があると感じています。

プロジェクトとスキルアップの関係

どんなプロジェクトが?

ー:(話は変わりますが)OXスタジオでは、どのような開発プロジェクト案件が多いですか。スマホが多いとか、コンシューマが多いとか、クライアント側とかサーバー側とかいろいろあると思うんですが。

町田:所属部署としては元々コンシューマ領域を主戦場としてきた経緯があってコンシューマが多かったのですが、最近だとスマホも増えてきてますね。でもやはり割合的にはコンシューマが多いです。発注元がメーカーさんとかパブリッシャーさんとか。あと先ほどの海外を含めて広げてくところでは、スマホやPCゲームなど含め、多くの企業にアプローチしています。

菊池:エンドユーザーのゲームマーケットの規模で言うと、スマホ、オンライン向けは非常に大きいですよね。直近のコロナ禍も相まって、よりリッチなゲームを遊びたいという需要が高まっている流れです。そういった時流に応じて求められる技術者、クリエイター、コンシューマクラスのゲーム開発に携われるプログラマー、エンジニアのニーズが高まっているのは間違いない。そういったところに対して、僕達としては、チームがプロジェクトに参画できているかなと思っています。

得られるスキル・成長は?

ー:現状、OXスタジオのエンジニアは67人で構成されていますよね。

菊池:そうですね。

ー:いろいろなプロジェクトがあり、そこで得られるスキルは一様ではないとは思うのですがいかがですか。

町田:そうですね。最近はUnrealEngineが主流のプラットフォームになってきていますが、C&R社のメンバーはUnityやUnrealEngine、C++のネイティブ開発を行うことが多いため、それぞれ幅広いプラットフォームの知識を身につけることができます。
チームで参画することで、様々なパートに携わる機会も多く、幅広い技術を習得することができます。
案件によって習得できる技術は異なりますが、育成プログラムを通じて、足りないスキルや強化するべき箇所を洗い出しアサインを決定しますので、経験値にならない案件を任されることはありません。常に成長できる環境であり、メンバーの成長を促すことを重視しています。
現状の技術に満足している人には、この環境は合わないかもしれませんが、ゲームエンジニアは、常に成長し続けることが重要です。
モチベーションの高い人にとっては非常にやりがいのある環境です。

また、チームの規模も常に拡大しているので、昨今の開発規模が大きくなり業務が固定されることが多い中においても同じ業務に固定されないように、担当範囲を広げるような働きかけやリーダー経験、様々なパートを経験する機会も豊富です。

実力がある人にとっては、チャンスを掴んでステップアップすることが容易に実現できる環境です。ただ、モチベーションが低い人にとっては難しいかもしれません。

やる気があれば一緒に目標を立て成長していく事が可能ですので、向上心の高い方は常に募集しています!

横の繋がりと互いの成長

ー:働き方としては他社への常駐が多いようなイメージがありますけど、実際はどうなのでしょうか。

菊池:現在だと半分ぐらいの案件が、常駐に近い形で発注してもらっています。開発においてシステムの根幹部分に携わるメンバーが非常に多いことと、プランナーをはじめ、そのプロジェクトに携わるいろいろな職種の方と密にコミュニケーションを取らなければいけないため、常駐で各プロジェクトに参画するケースが多くなります。ただ、アフターコロナで働き方が多様化したこともあるので、リモート形式(在宅)で働く方もいますし、このスタジオ内でチームを組んで仕事をしている方もいるので、働き方はそれぞれという感じです。

ー:なるほど。では町田さんに伺いたいのですが、他社へ常駐するとどうしても社内から離れてしまいますよね。そういう時、例えばスキルアップとか、バックアップの体制がうまく取れないんじゃないかとか、心配する若手やエンジニアも多いのではないかと思うのですが、常駐している方に向けたサポートはありますか。

町田:あります。そもそも複数の人が働いている常駐先だと、チームリーダーを立てて、リーダーから密に情報のシェアやフィードバックもありますし、もちろん個々に対しては定期的に面談を行ったり勉強会でメンバー相互の発表で興味を示してもらったりなど、様々に活動しています。定期的な面談の中では、携わっている案件に関わらず、その人の成長した部分や不安の解消などをしていきます。「Aが足りないから、Aをやってもらう」であったりとか…基本は相互補完ですね。このようなお互いの成長につながる活動をしています。

また、コミュニケーションやコネクションの重要性から、スタジオメンバーの懇親会も頻繁に行っています。横の繋がりということで、社外に出たメンバーも定期的に社内SNSや雑談チャンネル、技術に関する相談チャンネルに参加してもらったりもしています。横の繋がりは、できるだけ活発になるように働きかけたりはしていますね。

全員出社して隣同士肩を並べるほどまではいかないですが、今後の働き方としてリモートは必然的に増えますから、SNSなども有効活用した取り組みなどを常に考えながら行っています。

OXスタジオにおける「評価」と「キャリア形成」

評価軸 「人を見ている」

ー:常駐と在宅では、「見れるところと見れないところ」があり、評価の軸が大変になってくるんじゃないかと思いますが、例えば菊池さんから見た評価と、町田さんから見る技術周りの評価などは、どういう基準で行っていますか。

町田:エンジニアは日々の成果だったり、ある程度近しいところまで確認できる立場ではあるので見ることができているのと、取り組み方やモチベーション、本人の興味範囲、何をやっているかなどで、ポテンシャルの部分を見ることもあります。あとは、実際に従事している環境からフィードバックをもらうということもあります。多角的に見るようにはしています。案件の売上によって変わるとか、そういう評価はしないです。

ー:なるほど。

町田:売上を評価軸にしてしまうと「売上の高い案件に入りたい」という気持ちが出てしまったり、自社内で行っている場合には、「このプロジェクトは売上が高いので、参加メンバーにはボーナスを与えよう」ということがでてくると思います。

しかし、私たちは、開発を自社内で行うのではなく、外部から一定の範囲を受注しているため、そういう評価はしません。現在の技術はもちろん大切ですが、今後の成長につながる勉強内容も見ています。また「チーム拡大」も重要なので、横の連携やアウトプットなども重視しています。自分だけではなく、周りのチームメンバーや全体に対して、高いモチベーションでアウトプットができているかという部分を重視して見ています。

ー:先日、アカデミー卒業生のNさんやKさん、リードエンジニアのTさんのインタビューもさせていただいたのですが、OXスタジオに中途や未経験で入社する方のキャリア構築というのは、通常どういう感じで進めていくのでしょうか。

町田:そもそも入ってくる時点で、何かやりたいことがあって入ってくると思うんですよ。「今のポジションでできることが少ないからもっと広げる」だったり「技術的なところ以外にリーダー的なところも経験したいから入った」だったり。あとは異業種だとSEとか。

上流からやっていますが、ゲーム開発というと「この分野で今後キャリアを作っていきたいのでどうしたらよいか」という人もいれば、全く違う方向性を持っている人もいます。そのため、各人の意向を把握して、案件のアサインや定期的な面談で「3か月でこういうところまで行けるようになろう」といった目標設定や「この案件でこういう技術を身につけて、次はこういうところに挑戦しよう」といったキャリアプランの具体的な示唆を行っています。自分自身は、多岐にわたる経験を積んできたので(笑)、その辺りを一定のレベルでサポートできると考えています。

菊池:指導でもよく言っていますが、エンジニアとしての価値をどう高めていくかに主眼が置かれています。

私たちはゲーム業界の人事ポジションを標榜しており、その中でもエンジニア領域を担当しています。クリエイターの方々を評価し、適切な環境で仕事ができるようにすることを目指しているわけです。中堅や未経験の方であっても成長し、市場価値のある存在になってほしいという希望があります。各々のゴールやマイルストーンは異なるため、一緒に答えを見つけながら、それに合わせて着実に成長していくことが大切という考えです。私たちの使命は、プロジェクトを通して成長の機会を提供することです。成長や目標に向けた前進が見られれば、それを評価し、停滞や問題があれば改善するために努力する。会社として重視するのは、単にプロジェクトを完成させることや、ゲームが売れるかどうかではなく、各人がどの程度成長できたかということです。コンテンツではなく人を見ているという点に、私たちは特にこだわっています。

ー:改めて聞くといい環境ですね。

菊池:そうだといいのですが(笑)。

キャリア形成 「必ずしもうちにずっといるのが正解じゃない」

ー:C&R社では概して契約社員からのスタートが多いですよね。契約社員と正社員の違いはありますか。

菊池:まず、大きな違いは正社員と契約社員の採用基準です。正社員になるためには、C&R社のミッションに共感し、自身や仲間のキャリアや野心を実現するために邁進できる人材が求められます。技術力や業界希少性だけが正社員採用において重視されることはありません。C&R社のミッションは、業界内で活躍できる人材を輩出することにあります。つまり、自己実現やモチベーションが高い人材が正社員として求められるわけです。しかし、これがエンジニア全員にとって必ずしも正解とも限らないのが難しいところです。

一方で、契約社員は自身のキャリアをどう作っていくかを自己決定できるというメリットがあり、共にすり合わせをして方向性を定めていきます。

C&R社では、どういったコンテンツを作るかや自分の技術を磨くこと以上に、周囲と共に業界に対して働きかけることが求められます。自分がまずNo.1になりたいという志向の人には正社員としては合わない場合があるんですよね。雇用形態自体の違いよりも、エンジニアやクリエイターとしての技術力や評価が重要であると考えています。C&R社は、エンジニアやクリエイターがプロとして食べていける環境を提供することを目的としているのです。

ー:そういう背景があるんですね。

町田:必ずしも、うちのチームにずっといるのが正解じゃない場合もありますよね。目標として「大手企業に入りたい」だったり「この会社のこのゲームの続編を作りたい」というのが目標にある人もいるでしょう。そういう人はC&R社でキャリアプランを形成して成長してもらい、ゴールとしてそういうところに就けるようになれば、その人の価値を上げることになります。業界的にもエンジニア人口を増やしたことになるので、C&R社にとってはプラスとなります。業界に対してのアプローチが、デベロッパーやパブリッシャーとは大きく違うんですよね。

C&R社が大事にするスタンス

ー:C&R社で高い技術を身につけ、その数年後、C&R社の理念とマッチしないからといって他社に行ってしまうとなると、スキルの高い技術者が流出してしまうので、会社からするとマイナスなことなのではと思いますが、いかがですか。

菊池:もちろん、退職などで会社と関係が切れてしまうことはダメージがないかというと嘘になります。ただC&R社で優先されるのは、ミッションを実現していくこと、それはクリエイターの生涯価値を上げていくこと。そこに立ち返った時、その方が望むものがC&R社の外にあるのであれば、それを叶えてあげるのが会社として1番ブレちゃいけないところだと思ういますし、本人が望むキャリアを一緒に作れた場合はネガティブで終わることはないと思っています。

たとえ転職や別のキャリアを歩んだ場合にも、こちらが困った時や力が必要な時は必ず声をかけてくれるし、何かあった時には戻ってきてくれることもあります。実際、私も過去にC&R社を退職して別の会社で活躍している方々と、また一緒に仕事をするケースが非常に多くあります。そのような関係性を築くことが信頼につながり、業界全体においてもクリエイターの方から良い印象を持ってもらえているんだと思います。この点は、決してブレてはいけない重要な要素だと思います。

ー:確かに総合職でもそうですよ。C&R社は出戻り社員が多いですし。

町田:そうですね。出戻りもだし、うちのチームに限ったことではないのですがC&R社に関わりのあった人が起業したときに案件をC&R社に発注してくれて、一緒に働いたというケースもあります。

菊池:あと業界が狭い。筋が通らないことはやらないように…というか、エンジニアと信頼関係を結んでなんぼの仕事なので、そこは絶対に間違えちゃいけないところだと思っています。

町田:人材派遣というのは、業種的にマイナスイメージを持たれることも多いと思うんですよね。エージェントは、人をモノのように扱うようなイメージを持っている方もいるかもしれませんが、決してそうではありません。エンジニアとして成長しC&R社に居続ける人はもちろんのこと、スキルアップして外に出る人も、その後のお付き合いは、むしろそれまでより関係値も深まり長くなっていきます。真摯に向き合いながら、その人の価値を高めることや、その人の目標を後押しをするという立場で携わっていくからこそだと思います。正直に言うと、私もOXスタジオに入るまでは、マイナスのイメージがありました。

ー:そうなんですね。

町田:エージェントはお金のことしか考えていない(笑)。目の前の業績だけを考えるみたいなね。でも、実際に入ってみるとデベロッパーとまでは言わなくても、想像していたのとは違って、どちらの考えも持った上で、開発についても考え、人の成長に対する考えを持っている方が多くて、そのあたりは衝撃的でした。そうじゃなかったら、もう辞めています(笑)。

ー:なるほど。C&R社は町田さんが思っていた人材会社ではなかったんですね(笑)。

町田:予想通りの人材会社はいっぱいあるけどね、周りに(笑)。ここはそういうところではなかったです。今、うちのチームも他のチームも結構な人数が所属しているじゃないですか。

ー:いますね。

町田:C&R社の開発スタジオ全体では1,000人を超えているんですよね。今、こんなに大勢の人たちがいるのは、お互いにそういう信頼関係が築けているからだと思います。実際にそれがなかったら、そんなに社内に留まってくれている人もいないでしょうし。

「君もゲームエンジニアにならないか!」

OXスタジオの求める人物像

ー:質問はあと2問です。採用についてですが、新卒や中途、即戦力でも未経験でも、OXスタジオとしてはどのような人材を求めていますか。人柄やスキルなど具体的に伺いたいです。

町田:やる気と才能(笑)。

菊池:ゲームにこだわりがある人がいいですね。エンジニアはどのマーケットでも今とても必要とされていますし、例えば、私立文系の大学生がエンジニアとして新卒入社をするケースは増えていると思います。エンジニアになる可能性は普通にあります。ただ、その中でゲームエンジニアを志していく覚悟を持っている人、「自分はゲームの作り手になりたい」「自分がつくったもので様々なユーザーを楽しませたい」「自分が子供の頃に思った感動とかを与えたい」と、本気で思ってる人に来てほしいと思っています。エンジニアになることをぼんやり考えて「じゃあなんとなく、その中でゲームで…」となるとやっぱり後々苦労します。

もしかしたら、エンジニアと一括りにしてしまえば、他分野のネットワークエンジニアなど、様々な職種があるでしょう。また、一つの職種においても、ハードウェアやソフトウェアなど、それぞれの分野があります。しかし、ゲーム業界には、特にチャレンジ精神や覚悟を持って取り組める人材が求められると思います。今持っている技術がどの程度かよりも、そういったメンタルが大事かなと。自分が作りたいものを自分自身で作り上げることは、非常にやりがいのある経験になるでしょう。ただし、ゲーム開発は非常に手間のかかる作業であり、一人で挑戦することはとても大変です。だからこそ、適切なスキルセットを持つ人と協力することが、より良い結果を生みます。

ー:なるほど〜。

菊池:町田さんは?

町田:はい、その通りだと思います。

菊池:まんま、YESなの?(笑)

町田:そうですね。こだわりがあるのはもちろん必要なことだと思います。ただゲームが好きというだけではなく、技術の進化が早いゲームの分野で、新しい技術やアイデアを取り入れて実際にゲームを作り上げることに魅力を感じるかどうかも大切ではないでしょうか。例えばSEや他のIT業界で働く場合、大きなシステムの一部しか関わらなかったり、BtoBのプロジェクトに携わることが多いのに対して、ゲーム開発では自分たちが作ったゲームが直接ユーザーに届くので、その成果が実感できるというところが魅力のひとつだと思います。

「自分が作ったもの」に対してどういう結果がでたのかというモチベーションを感じられない現場が結構多いのかと思っています。ゲーム制作は、開発期間が長くても、リリース後にユーザーの反応も得られるし、実際に作ったものとして製品となって自分でも触れる状態であったりするので、その点はやりがいはあると思います。

実際に開発者の方々は、モチベーションが高く、技術をどんどん向上させたいという気持ちが強いです。そのため、こだわりを持って取り組める方が求められます。C&R社では教育も行っていますが、志向性が強く、自らの目標を持って、そのための技術向上に取り組んでいる方が向いていると思います。また、思っているだけでまだ形にできない人もいると思うのですが、自分で実際に取り組み「もっと高みを目指したい、そのために一緒に仕事をしたい」という思いがあれば向いていると思います。

OXスタジオトップから最後に

ー:ありがとうございます。では、最後にOXスタジオで一緒に働きたいと思った方に向けてメッセージをお願いします。

町田:「君も、ゲームエンジニアにならないか!」…あ、答えになってますか?あれ、質問なんでしたっけ?(一同笑)

ー:一緒に働きたい方に向けてのメッセージです(笑)菊池さんからお願いします。

菊池:自分自身をしっかりと見つめてもらって、ゲームエンジニアとして成長したいという人は、ぜひ気軽に相談したり面談を受けたりしてチャレンジしてみてほしいです。間違いなく、今所属しているメンバーは、入る前よりも新しいことにどんどんチャレンジしています。環境も整備されています。今後ゲームエンジニアとして、 様々なスキルを持った人材がますます必要になるので、自分の望むポジションにいられるように私たちがサポートしていきます。興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。

ー:ありがとうございます。では、町田さん。

町田:同じです(笑)…どういう人に入ってきてほしいか、そうですね…。ゲーム業界自体に興味がある人はもちろんですし、会社によって作っているゲームの特色や開発環境など、特徴があると思います。大手になればなるほど、多いと思うのですが、C&R社は案件が豊富ですし、業務自体も広範囲にわたるので、新しい技術を身につけたり、様々な環境に身を置いて成長することができます。今、行きたい会社や将来作りたいものを迷っている人も、C&R社で経験を積みながら自分の目標を定めることができます。

今の時点では、目標として掲げる企業に入社するのがまだ難しいと感じている人も、成長するために一緒に働いたらいいと思います。意欲的に成長したいという気持ちがある人や、一緒に業界を盛り上げていきたいという気持ちがある人には、ぜひ検討してほしいと思います。

ー:それであの言葉ですね。「君もゲームエンジニアにならないか!」(笑)

ー:今日はありがとうございました。

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